こんにちは!三浦海の学校のダイビングインストラクター吉田です。今日は春の三浦半島で出会える海の宝石、ヒロウミウシについてお話ししたいと思います。
みなさん、春といえば何を思い浮かべますか?桜、新生活、新緑…いろいろありますよね。でも、私たちダイバーにとっての春は「ウミウシの季節」でもあるんです!特に三浦半島の海では、この時期になると色とりどりのウミウシたちが姿を見せ始めます。なかでも鮮やかなピンク色が目を引くヒロウミウシは、まるで海の中に咲いた桜のような存在なんです。
ヒロウミウシってどんな生き物?
「ウミウシって何?」と思われる方もいるかもしれませんね。ウミウシは貝の仲間なのに、進化の過程で貝殻をなくした(または体内に埋め込んだ)生き物です。言ってみれば「貝殻から卒業した巻貝」というわけです。
その中でもヒロウミウシ(学名:Ceratodoris hiroi)は、とても特徴的な姿をしています。体は小さくて平たい楕円形で、鮮やかなピンクから赤色の体色をしています。そして何といっても、外套膜(がいとうまく)の周りに生えている白い指状の突起が、まるで花びらのように見えるんです。
大きさは数ミリメートルと本当に小さいのですが、その姿はとにかく愛らしい!初めて見た時は「こんな生き物が日本の海にいるの?」と驚くかもしれません。でも実は、北海道から沖縄まで、日本各地の海に広く分布しているんですよ。
ヒロウミウシの面白いところは、自分とよく似た色のピンク色のコケムシを食べているという点です。つまり、「自分に似た色のものを食べて自分の色を維持している」という、ちょっとユニークな生態を持っているわけです。これって人間でいうと、赤い服を着た人が赤いものばかり食べるようなものでしょうか(笑)。
春が旬!三浦半島でヒロウミウシに出会えるチャンス
「それで、いつどこで見られるの?」という疑問が湧いてきますよね。ヒロウミウシは1年中見られる可能性はありますが、特に春先から初夏にかけて(4月〜6月頃)が最も見つけやすい時期です。
水温が低めの春先は、ウミウシ全般が活発になる季節。三浦半島の海でも、この時期になるとウミウシの種類も個体数も増えてきます。ヒロウミウシも例外ではなく、春の三浦の海では比較的高い確率で出会えるチャンスがあります。
ぼくが勤務する三浦海の学校がある三浦半島は、東京湾と相模湾の合流地点に位置しているため、非常に多様な海洋生物が見られることで知られています。特に宮川湾周辺は、コケムシなどの付着生物が豊富で、ヒロウミウシの餌場としても最適な環境なんです。
とはいえ、海の中のことなので、100%見られる保証はありません。それでも春の三浦半島でのダイビングでは、ヒロウミウシを含む様々なウミウシたちとの出会いが期待できます。実際、過去のログを見ると「三浦でウミウシ祭り!」という日もあったくらいです。
小さな宝石を見つけるダイビングの楽しみ方
「でも、そんな小さな生き物どうやって見つけるの?」という疑問も浮かぶでしょう。そう、これがダイビングの醍醐味でもあるんです!
ヒロウミウシのような小さな生き物を見つけるには、ゆっくりと泳ぎ、岩や海藻などをじっくり観察することが大切です。ヒロウミウシの場合は、ピンク色のコケムシの上にいることが多いので、そういった場所を重点的に探してみるといいでしょう。
また、ヒロウミウシは一度エサとなるコケムシを見つけると、そこからあまり移動しないことも特徴です。さらに、仲間同士で群れていることも多いので、一匹見つけたら周辺もよく探してみると、もっと見つかるかもしれませんよ。
ぼくがガイドをするときには、お客様にはぜひ水中ライトを持参していただくようお勧めしています。水中ライトを当てると、ヒロウミウシのピンク色がさらに鮮やかに浮かび上がり、白い突起との対比がより美しく見えるんです。
「もっと近くで見たい!」という欲求が湧いてくるのはわかりますが、あまり接近しすぎると、私たちのフィンの水流で彼らが傷ついてしまうこともあります。適切な距離を保って、そっと観察するのがマナーです。言ってみれば、「密かに桜を愛でる」ような気持ちで接するといいかもしれませんね。
ヒロウミウシを美しく撮影するコツ
「せっかく出会えたら写真に残したい!」そんな方も多いはず。ウミウシは水中写真家にも大人気の被写体なんです。
ヒロウミウシを美しく撮影するためには、マクロレンズが必須アイテム。小さな被写体を大きく写せる専用のレンズを使うことで、ピンク色の体と白い突起の美しいコントラストを捉えることができます。
撮影時の大きなポイントは、まず安定した姿勢をとること。水中では想像以上に体が揺れるもので、特に小さな被写体を撮る場合は手ブレが大敵です。私のおすすめは、カメラを持った左手を岩などに軽く触れて固定し、右手でシャッターを押す方法です。そうすることで、手ブレを大幅に減らすことができますよ。
また、水中では光が吸収されやすいため、ストロボやライトを使って被写体を照らすことも重要です。ヒロウミウシの場合、ピンク色を鮮やかに出すためには、適切な光量調整がカギになります。強すぎると白飛びしてしまいますし、弱すぎると本来の色が出ません。
ちなみに、初心者の方には「黒抜き撮影」というテクニックもおすすめです。これは背景を真っ黒にして、被写体だけを浮かび上がらせる撮影方法で、ウミウシのような小さくてカラフルな生き物を際立たせるのに最適なんです。
とはいえ、最初から完璧な写真を撮ろうとする必要はありません。ぼくも最初はピントが合わなかったり、光量調整に失敗したりすることがよくありました。失敗を重ねながら少しずつ上達していくものです。何より、海の中でヒロウミウシと出会えた喜びを写真に残せればそれで十分素敵なことだと思います。
三浦海の学校でヒロウミウシ探しのダイビングを楽しもう!
「実際に三浦半島でヒロウミウシを見てみたい!」そんな気持ちになってきましたか?私たち三浦海の学校では、春の三浦半島でのダイビングツアーを毎年開催しています。
三浦海の学校のある三浦半島は、東京や横浜から約90分というアクセスの良さが魅力。日帰りで本格的なダイビングが楽しめるんです。初めてのダイビングという方には体験ダイビング、すでにライセンスをお持ちの方にはファンダイビングと、レベルに合わせたプランをご用意しています。
特に春のこの時期は、ヒロウミウシをはじめとする様々なウミウシたちとの出会いが期待できるシーズン。マクロ生物の宝庫と言われる三浦の海で、小さな海の宝石を一緒に探してみませんか?
また、水中写真に興味のある方には、カメラの設定から撮影テクニックまで、丁寧にアドバイスさせていただきます。専用の温水プールも完備しているので、ダイビングの基本スキルだけでなく、水中写真の練習もできますよ。
「でも、ダイビングって難しそう…」「器材が重そう…」と不安に思う方もいらっしゃるかもしれません。大丈夫です!私たちのスクールでは、PADI認定のベテランインストラクターが丁寧に指導しますので、初めての方でも安心してご参加いただけます。
コース受講の際はレンタル器材も充実していますので、手ぶらでお越しいただくことも可能です。京急三崎口駅からは無料送迎も行っていますので、電車でのアクセスも便利ですよ。
というわけで、春の三浦半島でヒロウミウシとの出会いを!
今回は春の三浦半島で見られるヒロウミウシについてお話ししてきました。小さな体に鮮やかなピンク色、白い突起が特徴的なヒロウミウシは、まるで海の中に咲いた桜のような存在です。
春のダイビングシーズンは、水温が少しずつ上がり始め、海の中も活気づいてくる時期。特に三浦半島の海は、東京や横浜からのアクセスも良く、日帰りでも本格的なダイビングが楽しめる絶好のロケーションです。
ヒロウミウシのような小さな生き物との出会いは、ダイビングの楽しさの一つです。肉眼では見逃してしまいそうな小さな命が、実は色鮮やかで個性的な姿をしているという発見は、いつもワクワクする体験です。
ぼくたち三浦海の学校では、そんな海の魅力を多くの方に知っていただきたいと思っています。初めての方も経験者も、それぞれのペースで海を楽しめるプログラムをご用意しておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
春の三浦半島で、ヒロウミウシをはじめとする海の宝石たちとの素敵な出会いを、一緒に楽しみましょう!
【三浦海の学校】
公式サイト:https://miura-diving.com/
お問い合わせ:info@miura-diving.com
電話:046-880-0835
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