こんにちは！ 海の生き物大好き、三浦 海の学校スタッフの吉田です！
さてさて、今日は、名前に「サメ」ってついちゃってるけど、ぜーんぜん怖くない、むしろ、なんだか「可愛い！」って思っちゃうような、不思議な海の仲間を紹介したいと思います！
その名も…「ネコザメ」！
どうです？ この写真！ 「サメ」って聞いて、あの映画『ジョーズ』みたいな、大きな口で鋭い歯を持った、人を襲う怖いイメージを思い浮かべた人もいるかもしれません。
でも、このネコザメくん（ちゃん？）を見てくださいよ。なんだか、目がくりっとしてて、口元もむにゅっとしてて、愛嬌（あいきょう）がありませんか？
そうなんです。世の中には、いろんなサメがいるんですよね。ネコザメは、その中でも特に「おとなしいサメ」の代表格。ぼくたちが潜る、ここ三浦 海の学校の目の前のビーチポイントでも、時々「お、寝てる寝てる」って感じで、ひょっこり出会うことがあるんですよ。
「え？ サメなのに怖くないの？」 「本当にビーチみたいな浅いところにもいるの？」
うんうん、そう思いますよね。「サメ」っていう言葉のインパクトは、やっぱりすごいですから、ちょっとドキッとしちゃう気持ちも分かります。
でも、大丈夫！ この記事を読み終わる頃には、きっと「ネコザメ、可愛いかも！」「会ってみたいな！」って、皆さんのネコザメに対するイメージが、ガラッと変わっているはずですよ！
というわけで、今日は、この愛嬌たっぷりのネコザメについて、その面白い生態や、どうして「ネコ」なんて名前がついたのか、そして、海の中で出会った時に、どうやって優しく観察すればいいのか、そんなお話をしていきたいと思います！
ネコザメって、どんなサメなの？
まずは、ネコザメのプロフィールから見ていきましょう！ ネコザメは、「ネコザメ目ネコザメ科」に分類されるサメの仲間です。…って、そのまんまですね（笑）。
日本の沿岸、特に太平洋側に広く分布していて、水深が比較的浅い岩場や砂地を好んで生息しています。大きさは、だいたい 1 メートルくらいまで成長します。サメとしては、かなり小柄な方ですね。
夜行性で、昼間は岩陰や海藻の間なんかで、じーっと動かずに休んでいることが多いです。「寝ている」と言ってもいいかもしれません。だから、ぼくらダイバーが日中に見かけるネコザメは、たいてい海底でおとなしくしている姿なんです。
あの顔つき、なんで「ネコ」なの？ 一番気になるのは、やっぱり「ネコザメ」っていう名前の由来ですよね。なんで「猫」なんでしょう？ これにはいくつか説があるんですが、一番有力なのは、目の上が少し盛り上がっていて、その形が猫の耳（あるいは、目の形そのもの）に似ているから、と言われています。どうでしょう？ 写真をもう一度見てみてください。なんとなく、そう見えなくもない…かな？（笑） ちょっと強引な気もしますが、まあ、可愛いから許しましょう！
もう一つ、彼らの食生活もユニークです。ネコザメの歯は、いわゆる「サメの歯」みたいに鋭く尖っているわけではなくて、硬いものを砕くのに適した、臼（うす）のような形をしているんです。これで、大好物のサザエやアワビ、ウニ、カニといった、硬い殻を持つ生き物を、**「バリバリ！」**っと、力強く噛み砕いて食べるんですよ！ 見た目ののんびりした雰囲気からは、ちょっと想像がつかないパワフルさですよね！
ネコザメの不思議なタマゴ
ネコザメの話をする上で、絶対に外せないのが、彼らの「卵」です！ これがまた、他の魚とは全然違う、とってもユニークな形をしているんですよ。
見た目は、まるで黒っぽいドリルの刃か、大きなネジみたい！ らせん状のヒダヒダがついていて、大きさは 10 センチ以上にもなります。 なんでこんな形をしているかというと、このらせん状のヒダが、岩の隙間とか海藻の間に、うまく引っかかって、潮に流されたり、他の魚に食べられたりするのを防ぐ役割をしているんだそうです。賢いですよね！
メスは、春から夏にかけて、この不思議な形の卵を、一度に 2 個ずつ、何回かに分けて産み落とします。もし、ダイビング中にこの「ドリルの刃」みたいなのを見つけたら、それはネコザメの卵かもしれませんよ！ 見つけても、そっと見守ってあげてくださいね。赤ちゃんが無事に生まれてくるのを、みんなで応援しましょう！
性格はおっとり。ダイバーを襲うことは…まず無い！
さて、一番大事なこと。「ネコザメは、人を襲ったりしないの？」 結論から言うと、まず、ありません！
ネコザメは、本当におとなしくて、臆病な性格のサメです。ダイバーが近づいても、たいていは海底でじっとしているか、びっくりして岩陰に隠れてしまうくらい。こちらから危害を加えない限り、ネコザメの方から攻撃してくることは、まず考えられません。
世界中のサメの中でも、トップクラスに安全なサメと言ってもいいくらいなんです。
三浦の海での出会い方と、優しい観察マナー
じゃあ、三浦 海の学校のビーチポイントでネコザメを探すとしたら、どんなところを探せばいいでしょう？
やっぱり、岩場の隙間や、ちょっとしたオーバーハング（岩がひさしのようになっている場所）の下、海藻が生い茂っている場所などが狙い目です。海底で、周りの岩や砂と同じような色をしているので、最初は見つけにくいかもしれません。でも、目が慣れてくると、「あ、あの岩みたいなの、ネコザメだ！」って、見つけられるようになりますよ。
見つけた時の観察マナーも、大切にしたいですね。
- そーっと近づく: 臆病なので、急に近づくとびっくりして逃げてしまいます。ゆっくり、静かに近づきましょう。
- 触らない、驚かせない: これはお約束ですね。いくらおとなしくても、触られるのはストレスになるはずです。特に寝ている子は、起こさないようにしてあげましょう。
- 写真を撮る時も配慮を: ストロボ（フラッシュ）を直接目に当てたりしないように、少し離れた位置から優しく撮ってあげましょう。
- 長居しすぎない: あまり長い時間、すぐそばでジロジロ見ていると、やっぱりストレスを与えてしまうかもしれません。適度な距離で、少し観察したら、そっとその場を離れてあげるのが、優しいマナーですね。
彼らが安心して休めるように、ぼくらダイバーが、ちょっとだけ気遣ってあげる。そんな気持ちで接してあげたいですね。
というわけで…
どうでしたか？ ネコザメ、なんだか親近感が湧いてきませんか？
「サメ」っていう名前からくる怖いイメージとは裏腹に、実はとってもおとなしくて、見た目もどこか愛嬌があって、不思議な卵を産んだり、硬いものをバリバリ食べたり…知れば知るほど、面白くて可愛い海の生き物なんです。
**とはいえ、**いくらおとなしいからといって、むやみに触ったり、驚かせたりするのは絶対にNGですよ。どんな生き物に対しても、敬意を持って接することが大切です。
三浦の海でダイビングをしていて、もし運良くネコザメに出会えたら、ぜひ、今日お話ししたことを思い出して、そーっと、優しく観察してみてくださいね。 きっと、「わー、本当に猫みたいな顔してる！」「寝てるのかな？可愛いなぁ」って、心がほっこりするような、素敵な時間になるはずですよ。
「怖い」というイメージだけで判断しないで、自分の目で見て、その生き物の本当の姿を知ろうとすること。それって、ダイビングの大きな醍醐味の一つだと、ぼくは思います！
コメント