PADIのままで大丈夫?現役インストラクターが本気で考える|ダイビング指導団体の未来

ダイビングライセンス

こんにちは! 神奈川県三浦半島で「三浦 海の学校」というダイビングスクールのインストラクター吉田です。

本題に入る前に、まずひとつだけ、はっきりさせておきたい大切なことがあります。 ぼくは決してPADIが嫌いだとか、PADIを否定したいとか、そういう気持ちでこの記事を書いているわけではありません。むしろ逆で、PADIのインストラクターとして活動できることに誇りを持っていますし、PADIが長年にわたって築き上げてきたダイビング教育の質の高さ、その安全性への貢献には心からの敬意を持っています。ぼく自身、PADIのダイバーになれて本当に良かったと、今でも強く思っています。

ただ、長くこの世界に関わっているからこそ、そしてPADIを愛しているからこそ、「もっとこうなったら素晴らしいのに」という想いや、ダイビング業界全体の明るい未来を考えた時に、「今のままで、本当にいいのかな?」と、ふと立ち止まって考えてしまうことがあるんです。

今日は、そんなぼくの正直な気持ちと、PADIへの愛ある提言を、皆さんと共有できればと思っています。少し真面目な話になりますが、お付き合いいただけると嬉しいです。

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「PADIって、世界で一番大きくて、講習の質も高いんでしょ?」

おっしゃる通り、PADIは世界最大のダイビング指導団体であり、その教育システムや教材のクオリティは本当に素晴らしいものがあります。

でも、だからこそ、より良い未来のために、少し立ち止まって考えてみたいことがあるんです。

ダイビング業界の「これから」への小さな願い

ダイビング指導団体には、PADIの他にもSSIやBSACなど、いくつかの団体があります。ざっくり言うと、ダイビングの知識や技術を教えるためのカリキュラムや教材を開発・提供し、ダイバーの認定(ライセンス発行)を行う組織のことですね。

私たちPADIのダイビングショップは、PADIが作成した質の高い教材を使って講習を行い、ライセンスを発行します。その際や、毎年のメンバーシップの更新、ダイブセンターとしての登録などで、PADIに一定の費用を支払う仕組みになっています。

これはビジネスとして当然の形ではあるのですが、最近、特に気になるのは、その「コスト」と、PADIからメンバー(インストラクターやダイブセンター)への「貢献」のバランスについて、少しだけ思うところがある、ということです。

PADIのコストについて、少し気になること

実は、ここ数年、PADIのインストラクター仲間や他のダイビングショップの方と話していると、「他の指導団体での活動も考えてみようかな…」という声を、以前よりも少し耳にする機会が増えたように感じています。

その背景の一つとして、やはり「コスト」に関する課題があるのかもしれません。

PADIの教材費や年会費、ダイブセンター登録料などは、他の指導団体と比較した場合、少し高めの設定になっているかもしれません。そして、それらの費用が少しずつ上昇している傾向も見られるようです。

例えば、教材のデジタル化(eラーニング)が進みました。これにより、印刷や輸送にかかるコストは大幅に軽減されるはずだと考えられますよね。 しかし、デジタル教材の費用が、以前の紙媒体の時と比べて大きく変わらない、あるいは、場合によっては以前より高くなっているのでは…と感じる声も耳にします。

私たちダイビングショップは、PADIへの支払いコストが増加したとしても、それをすぐにお客様への講習費用に転嫁するのは、なかなか難しいのが実情です。講習費用を上げれば、当然、他のダイビングショップや、他の指導団体でライセンス取得を検討されているお客様との間で、価格面での競争が厳しくなる可能性も考えられるからです。

PADIにもっと期待したいこと:未来への建設的な投資

もちろん、PADIという世界的に認知されたブランド力によって、お客様に安心感を提供できたり、集客面で恩恵を受けたりするメリットは大きいと感じています。

ただ、PADIに支払っているコストに対して、今のPADIからメンバーへのサポートや業界全体への貢献という点で、「もっとこうだったら嬉しいのに」と感じているインストラクターやダイビングショップも少なくないのかもしれません。

例えば、PADIが集めた資金を、ダイビング業界全体の未来を明るく照らすような、より積極的な投資に使ってはどうだろうか、とぼくは考えることがあります。

その一つが、もっと広範囲に向けたマーケティング活動です。

テレビCMを放映したり、影響力の大きなメディアと連携してダイビングの素晴らしさを大々的にPRしたりする。そういった活動を通じて、「ダイビングって楽しそうだな」「ライセンスを取ってみようかな」と感じる人々が、日本中に、そして世界中に増えていく。 ダイバーの裾野が広がれば、私たちダイビングショップも活性化しますし、それは巡り巡ってPADI自身の成長にも繋がる、素晴らしい循環を生むのではないでしょうか。

現在のPADIのマーケティング戦略、特に日本国内における展開については、もう少しダイナミックなアプローチがあっても良いのでは、と感じることがあります。これは、PADIへの期待が大きいからこその、あくまで個人的な意見です。

これからのダイビング業界とPADIと共に

改めて申し上げますが、ぼくはPADIの教育システムや安全基準の高さを心からリスペクトしています。そして、これからもPADIのインストラクターとして、自信と誇りを持って、質の高い講習プログラムを提供していきたいという気持ちに変わりはありません。

ただ、このままの状況が続いた場合、情熱あるインストラクターたちが他の選択肢を考え始めたり、ダイビングショップの経営がより厳しくなったりする可能性が、少しでもあるのだとしたら…。それは、ダイビングを愛するすべての人にとって、そしてPADI自身にとっても、決して望ましいことではないはずです。

だからこそ、PADIには、ぜひとも現場のインストラクターやダイブセンターの声に、今まで以上に耳を傾けてほしいのです。そして、ダイビング業界全体の未来のために、ダイバー人口を増やし、市場を活性化させるための、より積極的で建設的な投資をお願いしたい。 それが、PADIを愛し、ダイビングの未来を真剣に考える、いちメンバーとしての、ぼくの心からの願いであり、愛ある提言です。

この記事を読んで、皆さんはどのようなことを感じましたでしょうか?

ダイビング業界のこと、PADIのこと、もし何かご意見やご感想があれば、ぜひ聞かせていただけると嬉しいです。 そして、もしあなたが「ダイビングライセンスを取って、新しい世界を体験してみたい!」と思っているのであれば、ぜひ一度、三浦 海の学校の扉を叩いてみてください。海の素晴らしい魅力、全力でお伝えします!


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FAQ(よくある質問)

Q1: PADI以外のダイビング指導団体にはどんなものがありますか? A1: はい、PADI以外にもSSI(エスエスアイ)やBSAC(ビーエスエーシー)、NAUI(ナウイ)など、世界的にはいくつかの主要な指導団体があります。それぞれに講習の進め方や教材、指導方針に特徴があるかもしれません。もし興味があれば、それぞれの団体のウェブサイトを調べてみたり、実際に話を聞いてみたりするのも良いかもしれませんね。自分に合った団体を選ぶという考え方もあります。

Q2: ダイビングライセンスの費用はPADIが高いというのは本当ですか? A2: 一般的に、PADIのライセンス取得費用は、教材費やCカード(ライセンスカード)申請料などが含まれるため、他の指導団体と比較して、少し高めの価格設定になっている場合があるかもしれません。ただし、講習内容の質や安全性、そして世界的な認知度という点ではPADIの強みもあると言えます。費用だけでなく、講習内容やアフターフォローなども含めて、総合的に比較検討されることをお勧めします。

Q3: 現役のPADIインストラクターですが、同じようなことを感じていました。 A3: そうなんですね。この記事が、少しでもあなたの気持ちに寄り添えたり、何か考えるきっかけになったりしたのであれば、とても嬉しいです。PADIという組織がより良くなり、ダイビング業界全体が盛り上がっていくために、私たち現場のインストラクターが建設的な意見を発信していくことも大切なのかもしれませんね。よろしければ、ぜひLINEなどで気軽にお話しできればと思います。

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