こんにちは! 水中でキラキラ光るものには、ついつい目が吸い寄せられちゃう、三浦 海の学校スタッフの吉田です!
さて、今日の生き物ブログでご紹介するのは、まさに**「海の宝石」! あるいは「空色の妖精」**とでも呼びたくなるような、小さくて、とっても綺麗なあの子!
そう、**「ソラスズメダイ」**です!
きっと、ダイビングをする方なら、一度は見たことがあるはず! 日本の暖かい海の、浅い岩場やサンゴ礁の周りで、わーっと群れで泳いでいる、あの青い小さな魚です。ぼくたちがいる三浦 海の学校の目の前のビーチポイントでも、特に夏から秋にかけては、もう「普通」って言っていいくらい、たくさん見ることができますよね。
「青い魚ね、知ってるよ」…って、油断してませんか?
「ああ、ソラスズメダイね! いつもたくさんいる、あの青いやつでしょ?」 「群れてると綺麗だよねー」
うんうん、そうですよね! あの青い群れが目の前を通り過ぎると、なんだか心が洗われるような、清々しい気持ちになります。
…でも、 です! ちょっと待ってください! あなたが見ているそのソラスズメダイの「青」、本当に**「本当の色」**を見ていますか?
「え? 青は青でしょ?」 そう思ったあなた! もしかしたら、ソラスズメダイの持つ、驚くべき美しさの**「真の姿」**を見逃しているかもしれませんよ!
水中で魚を見ていると、なんとなく全体的に青っぽく見えたり、色が少しくすんで見えたりすること、ありませんか? 実はそれ、水の性質が関係しているんです。
水は、太陽の光に含まれる色々な色のうち、赤やオレンジといった暖かい色を吸収しやすく、青い光は比較的吸収されにくい、という性質があります。だから、水深が深くなればなるほど、物は青っぽく見えてしまうんですね。
つまり、ぼくらが普段「綺麗だなー」って見ているソラスズメダイの青色も、実は、水によって少しフィルターがかかった状態の色を見ている可能性が高いんです。
【必見!】水中ライトでソラスズメダイが覚醒する!?
じゃあ、どうすれば、ソラスズメダイの「本当の輝き」を見ることができるんでしょう? 答えは、とってもシンプル!
そう、「水中ライト」を当ててみるんです!
(ライトを持っていないダイバーさんも、ぜひ次の機会に試してみてほしい…!)
岩陰の近くで群れているソラスズメダイの群れに、そーっと、優しく、水中ライトの光を当ててみてください。
すると…どうでしょう!
さっきまで、なんとなく「青い魚の群れ」として見ていた彼らが、ライトの光を浴びた瞬間、まるで魔法がかかったみたいに、鮮烈なコバルトブルーに輝きだすんです!
「うわっ!?」
って、思わず声が出ちゃうくらいの、鮮やかさ! 体側の微妙な色のグラデーション、ヒレのエッジがキラリと光る様子、その一つ一つが、ライトの光によってくっきりと浮かび上がってきます。
それはもう、「ただの青い魚」ではありません。 まさに、**「光り輝く、空色の宝石」**そのもの!
初めてライトを当てて、この色の変化を見た時の感動は、本当に忘れられません。「君、本当はこんなに綺麗な色してたのかー!」って、心の中で叫んじゃいますよ(笑)。
これは、ライトの光が、水によって失われていた色を補ってくれて、ソラスズメダイが本来持っている色素を、はっきりと見せてくれるからなんです。色のマジックですね!
ソラスズメダイって、どんな子?
ライトの秘密が分かったところで、ソラスズメダイ自身のことも、少しだけご紹介。 彼らはスズキ目スズメダイ科のお魚。名前の通り、「空(ソラ)」のような美しい青色をしていることから、この名前がついたと言われています。英名でも「Sky-blue Damsel」なんて呼ばれたりします。世界共通で「空色ちゃん」なんですね!
普段は、岩場やサンゴの周りで、プランクトンなどを食べながら、たくさんの仲間と一緒に群れを作って暮らしています。危険を感じると、サッと岩陰やサンゴの隙間に隠れてしまう、ちょっと臆病なところもありますね。
三浦の海では、夏になると南の海からやってくる「季節来遊魚(しせつらいゆうぎょ)」の代表選手としても知られています。夏から秋にかけて、浅い水深の岩場で、彼らがワラワラと群れている光景は、三浦の海の風物詩の一つと言えるでしょう。
観察&ライト照射の優しいマナー
さて、ソラスズメダイの本当の美しさを引き出す魔法のアイテム「水中ライト」ですが、使う時には、ちょっとだけマナーを守ってあげましょうね。
- ライトは優しく、そっと: 魚の目に直接ライトを当て続けたり、強い光で長時間追いかけ回したりするのは、ストレスを与えてしまうのでやめましょう。「ちょっと失礼しますよー」くらいの気持ちで、短時間、優しく照らしてあげるのがコツです。
- 距離感を大切に: 群れ全体を驚かせないように、少し離れた場所から観察するのがおすすめです。近づきすぎると、みんな一斉に隠れちゃいますからね(笑)。
- 自然な姿も楽しむ: ライトを当てた時の「おおっ!」っていう感動も素晴らしいですが、ライトを当てずに、自然の光の中で群れが作り出す青のグラデーションを楽しむのも、また違った美しさがありますよ。
彼らの生活空間にお邪魔させてもらっている、という気持ちを忘れずに、優しい観察を心がけたいですね。
というわけで…
今日の主役、ソラスズメダイ。 三浦の海でもよく見かける、身近な存在。でも、その小さな体に秘められた「本当の青色」は、水中ライトという魔法の杖を使うことで、初めてその輝きを解き放つ、まさに「海の宝石」でした!
「見慣れた景色」だと思っていたものも、ちょっとした工夫や視点を変えるだけで、まったく新しい「特別な感動」に変わることがある。ダイビングって、本当に奥が深いですよね!
次回のダイビングでは、ぜひポケットに水中ライトを忍ばせて、ソラスズメダイの群れを探してみてください。そして、彼らにそっと光を当てて、その息をのむようなコバルトブルーの世界を、ぜひ体験してみてください!
きっと、「うわー!綺麗ー!」って、水中で最高の笑顔になっちゃうはずですよ!
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