水深2mでネコザメに会えた春の三浦ダイビング|ウミウシも豊作の4月の海
4月9日の三浦ビーチダイビング。水温14度・透明度6mの春濁りの中で、水深2mのネコザメ、ミヤコウミウシやコノハミドリガイなどのウミウシ、砂地のハナアナゴに会った記録。春の三浦の海の楽しみ方。
この記事は2026年4月に書いたものです。開催場所や料金、講習の進め方は、いまと違うところがあります。いまの内容は 海の生き物図鑑 のページをご覧ください。
こんにちは、三浦 海の学校の吉田です。4月9日、リピーターのOさんと三浦のビーチで潜ってきました。この日のいちばんは、潜ってすぐ、水深2mで会ったネコザメです。
外気温は21度。4月にしてはかなり暖かく、陸では半袖でも過ごせそうな陽気でした。午後から風が強まる予報だったので、少し早めに海に入ることにしました。
4月の三浦半島、ドライスーツで汗をかく陽気
海沿いの道を走ると菜の花やツツジが咲いていて、冬の間とは景色がまったく違います。外気温21度は、ドライスーツで動き回ると汗をかく気温です。水に入ったときにその汗が冷えて寒くならないように、着替えの段取りには気をつけました。
Oさんとは「午後から荒れそうだから、午前中にサクッと潜りましょう」と打ち合わせ。通い慣れたリピーターさんだと話が早いので、準備もスムーズに済んで、いざ海へ。
この日の海況は水温14度・透明度6m
エントリーしてみると、水温は14度。ドライスーツなら快適に潜れる温度ですが、水中に手を入れるとひんやりします。春先の三浦の海は、まだ冬の名残があります。
透明度は6mほどで、春濁りの真っただ中でした。春濁りは、水温が上がるとともに植物プランクトンが大量に発生して、海の中の視界が悪くなる現象です。ダイバーには見えにくい時期ですが、このプランクトンが海の食物連鎖を支えていて、夏に向けて生き物が活発になる土台になります。
透明度がよくない日は、遠くの景色ではなく、足元や岩肌をじっくり見るマクロのダイビングに切り替えます。この日もそのつもりで、小さな生き物を探しながら泳ぎました。
三浦の海で会った生き物
ネコザメ(潜降してすぐ、水深2m)
この日いちばんの出来事は、ネコザメとの遭遇です。潜降してすぐ、水深わずか2mほどのところで、小さな個体がじっとしていました。
ネコザメは、正面から見ると猫のような丸い顔をしたサメです。おとなしい性格で、ダイバーが近づいてもあまり逃げません。この子もこちらをじっと見ていました。サメと聞くと怖いイメージを持つ方もいるかもしれませんが、ネコザメは人を襲うことはなく、貝やウニを硬い歯で砕いて食べる、おとなしいサメです。
最近、三浦の海ではネコザメをちょいちょい見かけます。水温が下がる冬から春にかけて浅場に現れることが多く、岩場の隙間や砂地でじっとしている姿を観察できます。それでも水深2mという浅さでの出会いは珍しくて、Oさんと顔を見合わせてしまいました。
ミヤコウミウシ(体長5cmほどの大型)

この日はウミウシも豊作でした。中でも目を引いたのが、少し大きめのミヤコウミウシ。体長5cmほどの個体で、青みがかった灰色の体に、黄色やオレンジの突起が散らばった、なかなか派手な見た目です。
三浦の海では春先によく見られ、カイメンの仲間を食べて暮らしています。動きがゆっくりなので写真も撮りやすく、カメラ派のダイバーに人気のウミウシです。
コノハミドリガイ(葉っぱそっくりの1〜2cm)

三浦のダイビングでおなじみのコノハミドリガイも観察できました。体長1〜2cmほどで、緑色の体がまるで木の葉のよう。海藻の上にいると本当に見つけにくいのですが、目が慣れてくるとあちこちにいるのがわかります。
「嚢舌類」という仲間で、食べた海藻の葉緑体を体内に取り込んで光合成ができます。植物と動物の境目にいるような生き物です。
サラサウミウシ・コモンウミウシ・シロウミウシ
三浦の海の常連ともいえるサラサウミウシ、コモンウミウシ、シロウミウシも元気な姿を見せてくれました。どれも白い体に模様が入ったイロウミウシの仲間で、一見似ていますが、背中の模様がそれぞれ違います。
サラサウミウシは更紗模様のような赤茶色の網目、コモンウミウシは背中に黒い点が散らばり、シロウミウシは白地に黒い小さな点と黄色い縁取りが目印です。三種を見比べて違いがわかるようになると、ウミウシ観察がもっと楽しくなります。
ヒラミルミドリガイ(ミルの上の緑)

もう一種、ヒラミルミドリガイも見つけました。海藻のミルの上に乗っていることが多く、鮮やかな緑色の体が海藻に溶け込んでいます。コノハミドリガイと同じ嚢舌類で、こちらも光合成ができるウミウシです。
小さくて目立たない種類ですが、よく見ると体の縁に白い点々があってきれいです。三浦では春から初夏にかけてよく観察できます。
ハナアナゴ(砂地からひょっこり)

ウミウシ以外では、ハナアナゴも観察できました。砂地から体の一部だけを出して、ゆらゆらと揺れている姿はどこかユーモラスです。チンアナゴの仲間ですが、三浦の海で見られるのはこのハナアナゴのほうです。
臆病な性格で、近づきすぎるとスッと砂の中に引っ込みます。観察するときはゆっくり距離を詰めるのがコツ。三浦の砂地ではわりと出会える生き物で、見つけるとつい顔がほころびます。
透明度6m・水温14度でも、近くて濃い海

透明度6m、水温14度。数字だけ見ると「ちょっと厳しそう」と思うかもしれません。でも、潜降直後にネコザメに会い、岩肌を探せばウミウシが次々と見つかる。この日は、三浦の海の「近くて濃い」ところがそのまま出た一日でした。
春濁りの時期は、透明度がよくないからこそ足元に集中できて、ふだんは見過ごす小さな生き物に目が行きます。三浦半島のダイビングに興味がある方は、春の海にも遊びに来てください。ライセンスをお持ちでない方は、体験ダイビングで三浦の海をのぞくこともできます。