うねりの三浦で久しぶりのキヌバリ|4月の透明度3〜4mのダイビング

4月20日、台風のうねりと大潮の干潮が重なった三浦でリピーターSさんとビーチダイビング。透明度3〜4mの中、6〜7年ほど見かけなかったハゼのキヌバリに再会。カメラの電池を忘れて写真は撮れず、次回の宿題に。

うねりの三浦で久しぶりのキヌバリ|4月の透明度3〜4mのダイビング

この記事は2026年4月に書いたものです。開催場所や料金、講習の進め方は、いまと違うところがあります。いまの内容は 海の生き物図鑑 のページをご覧ください。

こんにちは、三浦 海の学校の吉田です。4月20日、リピーターのSさんとのダイビングで、6〜7年ほど見かけなくなっていたハゼのキヌバリに再会しました。Sさんは海の学校でのダイビング経験が50本を超えたベテランゲストで、いつも穏やかに海を楽しんでくれる方です。

台風うねりと大潮が重なった三浦の海

この日は遠くにある台風の影響で、うねりが少し入っているコンディション。さらに、潮がかなり引いていて、エントリーポイントの岩場がいつも以上にむき出しになっていました。

ビーチエントリーのダイビングでは、潮位の影響が想像以上に大きいものです。潮が引いているときは岩の上を歩く距離が長くなり、重い器材を背負った状態ではバランスを崩しやすくなります。エキジットも同様で、波の合間を見ながら慎重に岩場を上がる必要があります。

とはいえ、Sさんはもう50本以上をこの海で潜っているだけあって、慣れた足取りでした。「全然大丈夫ですよ」と笑いながらエントリーしていく姿を見ると、経験の積み重ねってやっぱり大きいなと感じます。ダイビングは水中のスキルだけでなく、こうしたエントリーやエキジットの判断力や対応力も含めて上達していくものなんですよね。

透明度3〜4m、うねりでふわふわ揺れる海中

この日の三浦の海は、透明度3〜4mほど。春濁りに加えて台風のうねりが底を巻き上げている影響もあり、視界はなかなか厳しい状況でした。水中に入ってみると、うねりの影響がしっかり残っていて、体が前後にふわふわと揺られます。

こういうコンディションのときは、中性浮力のコントロールがいつも以上に重要になります。うねりに身を任せてしまうと岩場にぶつかったり、砂を巻き上げてさらに透明度を落としてしまったりするからです。呼吸を整えて、ゆっくりと体の動きを最小限にする。ダイビングの基本ではありますが、こうした悪条件のときにこそ、その基本力が試されます。

Sさんはこのあたりもさすがで、うねりの中でも安定した泳ぎを見せてくれました。50本の経験は伊達じゃないなと、ガイドしながら頼もしく思っていました。

水中で会えた生き物

キヌバリ、姿を消していたハゼとの再会

この日の最大のトピックは、なんといってもキヌバリとの再会です。

キヌバリは体に黒い横縞が入った美しいハゼの仲間で、体長は5〜7cmほど。岩礁域の藻場や海藻の周辺に生息し、ホバリングするように中層に浮かぶ姿が特徴的です。透き通るような体に鮮やかな縞模様が映えて、小さいながらも水中ではとても目を引く存在です。

10年ほど前までは、三浦の海でキヌバリやチャガラといったハゼの仲間を見かけることは珍しくありませんでした。岩場のそばをすいすいと泳ぎ回る姿は日常的な風景のひとつで、ガイド中にゲストへ紹介する定番の生き物でもありました。

ところが、ここ6〜7年ほど、三浦の海ではこれらのハゼをほとんど見かけなくなっていたのです。水温の変化や海藻の減少、海の環境の変化が影響しているのかもしれません。三浦半島に限らず、相模湾全体で同じような報告を聞くこともあり、温暖化による海の変化を肌で感じる出来事のひとつでした。

そんな中、久しぶりにキヌバリの姿を確認できたのは、本当にうれしい瞬間でした。小さな体で岩のそばをふわりと泳いでいるのを見つけたとき、思わず「おっ」と声が出そうになったほどです。

ただ、ここで痛恨の出来事が。写真を撮ろうとカメラを構えたところ、なんと電池を入れ忘れていたことが判明。せっかくの久しぶりの再会を記録に残せなかったのは、悔やんでも悔やみきれません。ダイビング前の器材チェックと同じくらい、カメラの準備も入念にしなければと改めて反省しました。次こそは、しっかり写真に収めたいと思います。

悪条件の日にこそある出会い

透明度が悪い日やうねりがある日は、「今日は潜らなくてもいいかな」と思ってしまうこともあるかもしれません。でも、こういう日にこそ思いがけない出会いがあるのがダイビングの面白さです。今回のキヌバリとの再会がまさにそうでした。

三浦の海は、都心からのアクセスが良いにもかかわらず、四季折々の変化に富んだ豊かな海です。春の濁りの中にも、新しい命が動き始める気配があり、注意深く観察すれば小さな発見がたくさんあります。

コンディションが良い日も悪い日も、その日にしか見られない海がある。そんなことを改めて感じた一日でした。

透明度3〜4m、うねりの残る4月20日の海。写真の無いキヌバリの再会が、この日の記録です。