5月の三浦はウミウシが豊作|10年以上前の顔ぶれが戻ってきた海の記録
GW明けの三浦半島は、アオ・サラサ・シロウミウシをはじめウミウシが潜るたびに見つかる当たり年。ネコザメやアカエイにもよく会える。冬から春の水温が低めだったことで、10年以上前の三浦の海に近い顔ぶれが戻ってきたと感じる5月の様子。
この記事は2026年5月に書いたものです。開催場所や料金、講習の進め方は、いまと違うところがあります。いまの内容は 海の生き物図鑑 のページをご覧ください。
こんにちは、三浦 海の学校の吉田です。
今シーズンの三浦半島の海は、ウミウシがとにかく豊作です。10年以上前の三浦の海に近い顔ぶれが戻ってきています。しばらくブログの更新ができていませんでした。ありがたいことに三浦のダイビングシーズンは活気づいていて、ファンダイビングに講習、シーカヤックと、毎週たくさんのお客様にお越しいただいています。少人数制で運営しているので「実はそんなにバタバタしていない」というのが正直なところです。
GW明け、初夏の三浦

ゴールデンウィークが明けて、三浦半島は一気に初夏の空気に包まれてきました。陸の上はもう半袖でちょうどいい日も多く、海に向かう道すがら、新緑がまぶしいくらいです。
この時季は、ダイビングをはじめるにはおすすめのタイミングです。水温も少しずつ上がり、生き物たちの動きも活発になってきます。三浦の海は、東京や横浜から日帰りで通えるアクセスの良さも魅力で、平日にお仕事帰りで講習に来られる方や、週末にリピートで通ってくださる常連さんなど、いろいろなスタイルでダイビングを楽しんでいただいています。
少人数制と、定食屋さんみたいな雰囲気

三浦 海の学校は少人数制でやらせていただいているので、お客様一人ひとりとじっくり向き合える時間があります。ファンダイビングのお客様、ダイビングライセンス講習を受講されている方、シーカヤックでのんびり海上散歩を楽しまれる方。それぞれのペースに合わせて、無理なく海を楽しんでいただけるのがうちのスタイルです。
そして本当にありがたいことに、最近はリピーターのお客様の比率がかなり高くなっています。「久しぶりに潜りに来ました」「今日はカヤックだけ楽しみたくて」と、ふらっと立ち寄ってくださる方が増えていて、まるで近所の常連さんが集まる定食屋さんみたいな雰囲気になることもあります。こうやってお店として「居心地のいい場所」だと感じてもらえているのが、僕にとっては何よりの励みです。
今年の海は10年以上前の顔ぶれ

さて、本題に入ります。今シーズンの三浦半島の海は、本当に生き物が豊かです。
長年三浦の海に潜ってきた身として、はっきり言えるのは「これは10年以上前の三浦の海に近い」ということ。ここ数年は温暖化の影響で、本来この海域でよく見られていたはずの生き物がぐっと減っていました。特に冷たい水を好む種類は、夏場の高水温で姿を消すことが多く、寂しい思いをしていました。
それが、今年は違います。冬から春にかけての海水温が比較的低めに推移したこと、そして潮の流れの巡り合わせなのか、近年姿を消していた生き物が驚くほど戻ってきています。なかでも圧倒的に目立っているのが、ウミウシです。
よく会えるウミウシ3種と、ネコザメ・アカエイ

潜るたびに「今日も新しい子に会えた」と感じるくらい、ウミウシのバリエーションが豊富です。少しだけ、最近の三浦の海で見られているウミウシたちと、合わせて出会えている人気の生き物をご紹介します。
アオウミウシ
三浦の定番中の定番、アオウミウシ。鮮やかな青に黄色のラインが映える、ウミウシ初心者にもファンの多い種類です。今年は数も多く、岩肌をよく観察すると、あちこちで見つかります。撮影もしやすいサイズ感なので、水中カメラの被写体としてもぴったり。三浦の海で見られる代表的なウミウシのひとつです。
サラサウミウシ
白地に黒や黄色のラインが走る、いわゆる「更紗模様」が美しいウミウシ。今年は特に当たり年で、岩の隙間や海藻の根元など、いろいろな場所で目にしています。動きはゆっくりなので、じっくり観察できるのも嬉しいところです。
シロウミウシ
白い体に黒い斑点、そして縁が黄色。シンプルながら品のある色合いが魅力。ぱっと見の派手さはありませんが、ライトを当てるとぐっと表情が豊かになる種類です。三浦半島ではここ数年あまり数が出ていなかったのですが、今年は安定して見られています。
このほかにも、名前を挙げきれないほどのウミウシが日々登場していて、ログをつけるのが追いつかないくらいです。ウミウシ好きのダイバーさんには、本当にたまらないシーズンになっています。
ネコザメ
ウミウシだけではありません。三浦の海では、ネコザメにもよく出会えています。猫の耳のように見える眼上突起と、ずんぐりむっくりした愛嬌のあるシルエットがたまらない、人気者のサメです。性格はおとなしく、岩の下や窪みでじっとしていることが多いので、ゆっくり近づけばじっくり観察できます。「サメ」と聞くと身構える方もいらっしゃいますが、ネコザメは温厚そのもの。三浦の海で見られるサメの中でも、ダイバーから一番愛されている存在かもしれません。
アカエイ
砂地のポイントで存在感を放っているのがアカエイ。砂に潜って目だけを出していることも多く、近づくとふわっと砂を巻き上げて優雅に泳ぎ去る姿は、何度見ても感動します。三浦の砂地ではこの春、サイズの大きな個体にもよく出会えていて、迫力満点。ただし尾の付け根に毒のあるトゲを持っているので、観察するときは少し距離を保つのが鉄則です。安全に楽しむためのちょっとした知識も、ガイドのなかでお伝えしています。
温暖化の中で戻ってきた豊かさ
近年は世界的に海洋温暖化が話題になっていて、三浦の海もその影響を受けてきました。冷水を好む生き物が減り、南方系の魚が増える。そんな変化を、毎年のように肌で感じてきたものです。
でも今年の海は、自然の振り幅の大きさをあらためて教えてくれています。生き物たちは、ちょっとした水温や潮の変化に敏感に反応して、ちゃんと戻ってくる。海の力強さを感じる、そんなシーズンになっています。
ダイビングの面白さは、こういう「海の表情の変化」を間近で感じられることだと、僕は思っています。同じ三浦のポイントに潜っていても、季節ごと、年ごとに違う顔を見せてくれる。だからこそ、何年潜っても飽きません。
これからの季節、夏の生き物へ

これからの季節、水温はさらに上がり、透明度も日によって良くなっていきます。ウミウシのピークは少しずつ終わりに近づきますが、入れ替わるように夏の生き物たちが姿を見せはじめる時季でもあります。クマノミの仲間、ハゼの種類、季節来遊魚たち。三浦半島のダイビングは、ここから楽しい季節に入っていきます。
「ダイビングをはじめてみたい」と思っている方には、神奈川・三浦半島はとてもおすすめのフィールドです。都心から日帰りで通えて、生き物の種類が豊富で、ポイントも多彩。神奈川県内でダイビングライセンスの取得を考えているなら、海況の安定した三浦の海はとても良い選択肢になると思います。ライセンス取得後もずっと通える「ホームの海」として愛してくださる方がたくさんいます。
ファンダイビングはもちろん、スノーケリングなど、海とのつきあい方はいろいろあります。「いきなりダイビングはちょっと…」という方には、まずは体験ダイビングやスノーケリングから入っていただくのもおすすめです。三浦の海と少しずつ仲良くなっていく、その過程を楽しんでいただけたら嬉しいです。
久しぶりにブログを書いてみて、やっぱり海のことを言葉にするのは楽しいなと思いました。これから少しずつ、また更新の頻度を上げていきたいと思っています。最近の海況、出会った生き物、講習やファンダイビングの様子など、現場の空気感をお届けできればと。
この春の三浦は、アオ・サラサ・シロのウミウシに、ネコザメ、アカエイ。10年以上前の顔ぶれが戻ってきた海の記録でした。