巨大ネコザメと春のウミウシ三昧——三浦・海の学校でBCD初おろし
もうすぐ4月。
三浦の海は静かに、でも確実に春へと向かっています。今回は久しぶりに顔を見せてくれた大物との再会もあり、とても嬉しいダイビングになりました。
約一週間ぶりの再会
今日のゲストは、経験本数300本を超えるベテランダイバーのOさんです。
実は約一週間前にも一緒に潜ったばかり。前回ダイビング後に新しいBCDを一緒に選んで購入。
そして今回はその新しいBCD——Bism(ビズム)——の調整も兼ねてのダイビングです。
新しい器材というのは、実際に水に入ってみないとわからないことが多いものです。浮力のバランス、ポケットの位置、背負い心地。陸上でいくら確認しても、水中でフィンを蹴りながら感じて初めて「自分のもの」 になっていく。そういう意味で、購入後すぐにまた海に来てくれたことがとても嬉しかったです。
今日の海況——透明度、少し回復
水温は14℃。先週からほとんど変わらず、まだドライスーツが必要です。ただ、透明度は先週の5mから6〜7mへと少し回復してきました。
春濁りのピークは少しずつ落ち着いてきているようです。まだ澄み渡るとは言えませんが、6〜7mあれば水中の雰囲気は十分に楽しめます。むしろこれくらいの視界の中で、岩や砂の上をじっくり観察するのが今の三浦の楽しみ方です。
今日の水中レポート
ネコザメ(巨大個体)

今日の主役は、なんといってもネコザメです。根回りの下、ひっそりとした岩陰に巨大な個体がいました。 久しぶりの再会に、思わず心の中で「いた!」と叫んでしまいました。
ネコザメは日本近海に生息するサメの一種で、成体は1m前後になります。今日の個体はかなりの大きさで、岩の下にどっしりと収まっていました。名前の由来は、その目が猫のように細い楕円形をしていることから。泳ぎ回るイメージのあるサメとは異なり、ネコザメは基本的におとなしく、岩の陰や砂地でじっとしていることが多い種類です。
体表には茶褐色の斑点が散りばめられており、岩や海藻に溶け込むような保護色をしています。驚かせなければ逃げることもなく、じっくり観察させてくれます。三浦の海ではたまに見られる生き物ですが、これだけ大きな個体に会えるのはそう頻繁にあることではありません。 Oさんも目を丸くしていました。
コモンウミウシ(極小個体)

ネコザメの興奮が冷めやらない中、今度は足元に視線を落とすと、ちびっこいコモンウミウシを発見しました。白地に橙・紫の斑点が並ぶコモンウミウシは普段でも可愛い生き物ですが、極小サイズとなると別格の可愛さです。体長は数ミリほどで、まだ模様もうっすらとしか出ていない段階でしょうか。
こういう小さな個体を見つけると、「ここで生まれたんだな」という実感があって、海の豊かさをあらためて感じます。見つけるには慣れが必要で、岩の表面をゆっくりなめるように目で追っていくのがコツです。
コモンウミウシ・アオウミウシ・シロウミウシ

極小コモンウミウシのほかに、通常サイズのコモンウミウシ、アオウミウシ、シロウミウシも確認しました。この3種はこの時期の三浦では定番の顔ぶれで、毎回ほぼ確実に会えます。

アオウミウシの鮮やかなブルー、シロウミウシの清楚な白、コモンウミウシの華やかな斑点。並べて見ると、同じウミウシという生き物でもこれだけ表現が違うのかと驚かされます。春濁りで視界が限られる中でも、これだけのカラフルな生き物たちが足元にいるのですから、三浦の海はやはり面白い。
ヒラミルミドリガイ

少し地味な存在ですが、個人的に好きなウミウシのひとつがヒラミルミドリガイです。鮮やかな緑色の体が特徴で、海藻の上にいると見事に溶け込んでいます。体長は1〜2cmほどの小型種で、よく見ると背中に白い斑点がちりばめられています。
ヒラミルミドリガイは「嚢舌目(のうぜつもく)」と呼ばれるグループに属し、藻類を食べて葉緑体を体内に取り込む「盗葉緑体」 という珍しい性質を持っています。食べた藻類の葉緑体を消化せずに自分の細胞に取り込み、光合成を行わせるというしくみです。ウミウシの中でも特に生態がユニークな種類で、知れば知るほど面白い生き物です。
ミミイカ(写真なし……)
最後にどうしても触れておきたいのが、ミミイカです。小さな岩の陰に、ちょこんとした姿を発見したのですが——写真が撮れませんでした。 残念。
ミミイカは体長3〜5cmほどの小型のイカで、耳のような大きなヒレが特徴です。泳ぎ方もユニークで、ヒレをひらひらとなびかせながらゆっくりと移動する様子はなんとも愛らしい。警戒心が強く、近づこうとするとすっと隠れてしまうことが多いので、撮影難易度はかなり高めです。
次こそ写真を撮りたいと思っています。
またいてくれることを願いつつ。
もうすぐ4月——春の三浦へ、ぜひ

透明度が少しずつ戻り、水温も上昇傾向。ネコザメのような大物から、極小ウミウシのようなマクロの世界まで、春の三浦はとにかく生き物が豊かです。
4月に入るとさらに生き物の種類が増え、賑やかなシーズンへと突入していきます。「ダイビングを始めてみたい」 という方も、「久しぶりに潜りたい」という方も、ぜひこの季節の三浦の海に会いに来てください。 一緒に潜りましょう。
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