水温23度の三浦でPADIオープン・ウォーター認定ダイブ——浮力コントロールの話

水温23度の三浦でPADIオープン・ウォーター認定ダイブ——浮力コントロールの話

約7分で読めます

こんにちは、三浦 海の学校の吉田です。

8月最後の日曜日、神奈川県三浦市の海でダイビングライセンス講習を開催しました。昨日に引き続いてのPADIオープン・ウォーター・ダイバー講習で、今日はいよいよ認定ダイブ。

三浦の海での仕上げの2本です。

結論から書いてしまうと、無事に認定となりました。 おめでとうございます。

三浦の海でPADIオープン・ウォーター・ダイバー講習の認定ダイブ中、OKサインを出す受講生

気温も水温も23度——8月最後の三浦の海

朝から空はどんよりとした曇り空でした。 気温は23度、水温も23度。8月の終わりとは思えない涼しさで、ウェットスーツで海に入ると「少し寒いな」 と感じるくらいの一日です。

数日前に同じ三浦の海で潜ったときは水温が26度あったので、そこから3度下がっただけなのですが、体感はけっこう変わります。水の中では体温がどんどん奪われていくので、たった数度の差が「快適」 と「そろそろ上がりたい」を分けてしまう。夏の終わりから秋にかけての三浦の海は、この数字が日替わりで動く時期です。

とはいえ、曇りが講習にとって悪いことばかりかというと、そうでもありません。日差しが強すぎないぶん、陸上での器材セッティングやブリーフィングがずいぶん楽になります。真夏の炎天下でウェットスーツを着たまま説明を聞くのは、それだけで体力を使いますから。曇りの日は、講習にはむしろ向いている日でもあるんです。

三浦の海でのダイビング講習、エントリー前に器材を背負ったところ

PADIオープン・ウォーター認定ダイブ——三浦の海で仕上げの2本

認定ダイブというのは、講習の最後に行う海洋実習のことです。プールや浅い海で練習してきたスキルを、実際のダイビングの流れの中で確認していきます。

今日のスキルは、正直に言ってとても上手でした。

中性浮力とホバリングは問題なし

浮いてもいない、沈んでもいない状態——中性浮力を保ったまま水中でとどまるのがホバリングです。ダイバーになってからいちばん長く付き合うスキルであり、いちばん奥が深いスキルでもあります。

これが今日は特に問題なくできていました。BCDへの空気の出し入れと、呼吸による微調整。この2つが噛み合ってくると、体が水中でぴたっと止まります。初日でここまで安定するのは、なかなかのものです。

三浦の海でホバリングの練習をするダイビング講習の受講生

緊急スイミング・アセントとマスク脱着

万が一エアがなくなったときに、息を吐き続けながら自力で浮上する「緊急スイミング・アセント」。

そして水中でマスクを外して、また着け直す「マスク脱着」 。この2つも、とても上手にできていました。

どちらも「できるかどうか」 より「落ち着いてできるかどうか」が大事なスキルです。マスクを外すと当然何も見えなくなりますし、鼻に水が入る感覚も気持ちのいいものではありません。 それでも慌てずに手順を踏めるかどうか。そこが本番で効いてきます。今日はどちらも余裕を持ってこなしていました。

浮力コントロールは「深さで変わる」——三浦の海で覚えておきたいこと

ここからが、今日いちばんお伝えしたかった話です。

泳いでいるときに、きちんと水深に応じた浮力コントロールが取れるようになると、ダイビングは一段と楽になります。

というのも、浮力は水深によって変わってしまうからです。ウェットスーツの中にある無数の気泡も、BCDに入れた空気も、深いところへ行くほど水圧で圧縮されて体積が小さくなります。体積が小さくなるということは、押しのける水の量が減るということ。

つまり浮力が減って、体が沈みやすくなるわけです。

このとき、多くの方がやってしまうのがフィンキックで浮力を補うことです。沈んでいくから、脚を蹴って上向きの推進力を作って持ちこたえる。 気持ちはとてもよく分かります。でもこれをやると、脚は常に動き続けることになり、当然疲れます。 呼吸も荒くなって、エアの消費も早くなる。ダイビング時間そのものが短くなってしまいます。

正しくは、深くなったらBCDに空気を少し足す、浅くなったら少し抜く。この出し入れを、泳ぎながら自然にできるようになるのが目標です。 細かい調整は呼吸でできます。少し吸えば浮き、少し吐けば沈む。この感覚が身についてくると、脚を止めていても体が水中で安定して、目線は生き物のほうに向けられるようになります。

ここが取れるようになると、ダイビングの世界はかなり変わります。疲れないし、エアも持つし、写真も撮りやすい。 焦らなくて大丈夫です。本数を重ねながら、少しずつ体で覚えていくところです。

三浦の海で出会った生き物たち

認定ダイブとはいえ、スキルだけをやって終わりではありません。 三浦の海はこの時期がいちばん賑やかです。

アオリイカ

今日いちばんの当たりは、なんといってもアオリイカでした。

半透明の胴体に、体のふちを縁取るような大きなヒレ。そのヒレを波打たせながら、ほとんど音もなくその場に浮いています。近づきすぎなければしばらく付き合ってくれますが、警戒するとすっと後ろに下がって、あっという間に消えていきます。

三浦の海では春から夏にかけてアオリイカの卵を見かけることがあり、この時期に泳いでいる個体に会えるのは嬉しいところです。認定ダイブでこれに出会えたのは、本当に運がよかったと思います。

三浦の海を漂うアオリイカ。ダイビング中に出会った

ミノカサゴの仲間

扇のように大きく広がったヒレと、赤褐色と白の縞模様。 優雅に漂うミノカサゴの仲間も見られました。

三浦の海では一年を通して見られる魚で、動きがゆっくりなので写真も撮りやすい被写体です。

ただし背びれの棘には強い毒があるので、絶対に触らないこと。きれいだからと手を伸ばしたくなりますが、見るだけにしておきましょう。

三浦の海で見られたミノカサゴの仲間。ヒレを大きく広げている

ハタタテダイの仲間

白と黒の縞模様に、長く伸びた背びれ。ハタタテダイの仲間が数匹、中層をふわふわと泳いでいました。

いかにも南の海の魚に見えますが、これは黒潮に乗って三浦まで流れてきた季節来遊魚です。夏の終わりから秋にかけて、三浦の海がいちばん南国っぽくなる時期の主役のひとつ。水温が下がる冬を越せない個体がほとんどなので、会えるのは今だけです。

三浦の海の中層を泳ぐハタタテダイの仲間。季節来遊魚

砂地に隠れていたヒラメ

砂地では、体を砂に埋めて完璧に擬態しているヒラメの仲間も見つけました。輪郭がうっすら浮かんで、目だけがこちらを向いている。慣れてくると分かるようになりますが、初めてだとまず気づきません。

こういう「言われて初めて見える」 生き物が三浦の砂地にはたくさんいます。ここを楽しめるようになると、地味に見える砂地が急に面白くなってきます。

なお今日はヘルプインストラクターのシモさんも一緒でした。講習のサポートに入ってもらいつつ、合間には生き物を探して、ずいぶん自分でも楽しんでいたようです。講習中のダイビングでも、こうして誰かが横で海を面白がっていると、その空気は伝わるものだと思っています。

認定おめでとうございます——次は三浦でアドバンス講習

改めて、認定おめでとうございます。

PADIオープン・ウォーター・ダイバー講習の認定ダイブを終えた三浦の海でのダイバー

これでPADIオープン・ウォーター・ダイバーです。世界中の海で、バディと一緒に水深18メートルまで潜れる資格になりました。ただ、Cカードは取ったら終わりではなく、取った日がスタートです。 ここからが本番。

そして次はアドバンス講習ですね。 9月、お待ちしています。

アドバンスド・オープン・ウォーター・ダイバー講習では、今日話した中性浮力をあらためて掘り下げるピーク・パフォーマンス・ボイヤンシーや、水中で自分の位置を把握するナビゲーション、そして水深30メートルまで行けるようになるディープなど、5つのテーマを実際のダイビングの中で練習していきます。 今日の「浮力コントロール」の話の続きが、そのまま講習になっていると思ってください。

アドバンスで何が変わるのかは、まんがでも読めます。 文章より先に雰囲気をつかみたい方はどうぞ。

三浦の海は、これからの季節がいちばん面白くなります。水温はゆっくり下がっていきますが、透明度は上がり、南から流れてきた魚たちがまだ残っている。9月・10月の三浦は、実は一年でも指折りのダイビングシーズンです。取りたてのCカードを持って、ぜひ潜りに来てください。

三浦 海の学校について

三浦 海の学校は神奈川県三浦市のPADI公認5スターIDCセンターです。ダイビングライセンスの取得から、ファンダイビング、SUPやスノーケリングなどのマリンアクティビティまで、初心者からベテランまで楽しめます。 開催は城ヶ島・宮川湾。京急三崎口駅から開催地まで無料送迎をご利用いただけます。

タグ

ビーチ情報 ファンダイビング プール講習 ライセンス講習 初心者向け 器材・装備 季節情報 安全管理 水中撮影 海況・コンディション

この記事をシェア

記事一覧に戻る