生き物を見ない日のダイビング——三浦・城ヶ島のボートで浮力とフィンの練習を3本

生き物を見ない日のダイビング——三浦・城ヶ島のボートで浮力とフィンの練習を3本

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こんにちは、三浦 海の学校の吉田です。

9月10日は、久しぶりに城ヶ島からボートでダイビングをしてきました。

お客様はリピーターのOさん。 マンツーマンでのリクエストです。

朝から空は灰色で、雨が降ったりやんだり。 港でタンクを積みながら「今日は寒いですね」と言い合うような天気でした。 ところが海に入ると、水のほうが暖かい。9月の三浦には、そういう日があります。

雨模様の城ヶ島の港。奥に城ヶ島大橋が見える、三浦のボートダイビング出発前の一枚

外気温20度、水温22度——9月の三浦は海のほうが暖かい

この日の外気温は20度ほど。雨も降っていて、ウェットスーツを着て船に乗っている間は、正直なところ寒かったです。

一方で水温は22度。夏に温められた海は、陸の気温が下がってもすぐには冷えません。潜降して顔まで水に浸かった瞬間、「あ、こっちのほうが暖かい」 とホッとする。夏の終わりから秋にかけての三浦の海には、この逆転がよく起きます。

透明度は10mほど。台風のうねりが落ち着いたあとの、9月にしては見通しのよい海でした。船の上で震えていたぶん、水中に入ったときの安心感は大きかったです。

こういう日は、陸で寒いからといってダイビングをあきらめる理由にはなりません。 むしろ水中がいちばん快適な場所になります。寒さ対策としては、船上で羽織るものを一枚持っておくこと、ダイビングとダイビングの間に温かい飲み物をとることくらいで、水の中は問題ありませんでした。

三浦の海で、今日は生き物を見ないダイビング——浮力コントロールとフィンの使い方の練習

城ヶ島からのボートダイビングは、僕にとっても久しぶりでした。夏の間は講習や体験ダイビングでビーチに立つ日が多く、ボートはこのところ宮川湾から出ることが多かったからです。城ヶ島の港で船にタンクを積み、城ヶ島大橋を横に見ながら出ていく、あの時間はやはり気持ちのいいものです。

今回のOさんのリクエストは、生き物観察ではありませんでした。浮力コントロールと、フィンの使い方の練習です。

潜降して、ロープの下に着いたら、そこで黙々と練習。魚を追いかけるわけでもなく、ポイントを泳ぎ回るわけでもなく、ひたすら自分の体と向き合う。 傍から見ると地味なダイビングです。でも僕は、こういうダイビングも本当に楽しいと思っています。

城ヶ島のボートポイント、ロープの下で浮力コントロールの練習をするダイバー。三浦の海の水中

浮力は「止まる」 から「動く」へ

浮力コントロールの基本については、8月の記事で書いています(ロープ下でひたすらホバリングした日、深さで浮力が変わる話)。同じ話を繰り返すのはやめて、今回はその先の話をします。

ホバリングでその場に止まれるようになったら、次は「動きながら浮力を保つ」 段階です。止まっているときは安定していても、泳ぎ出したとたんに体が上下してしまう。 フィンを蹴るたびに浮いたり沈んだりする。これは多くの方が通る道です。

原因のひとつは、フィンキックの向きです。足が下がった姿勢で蹴ると、推進力が前ではなく上に逃げます。すると体が浮き、それを抑えようとBCDの空気を抜き、今度は沈んでまた足で蹴る。この繰り返しで、空気の量ばかりいじることになります。

だから浮力の練習とフィンの練習は、実は同じ練習です。姿勢が水平に近づくとキックの力が前に向かい、浮力を空気で調整する回数が減って、呼吸だけでコントロールできる範囲が広がります。

フィンの使い方——大きくゆっくり、膝から下だけにしない

フィンワークで僕がまず見るのは、膝から下だけで細かく蹴っていないか、という点です。自転車をこぐような動きになると、疲れるわりに進みません。股関節から脚全体を使って、大きくゆっくり動かす。 これだけで推進効率が変わります。

もうひとつは、キックの終わりで止まる時間をつくること。 蹴り続けるのではなく、一蹴りしたら滑る。グライドの時間が長いほど空気の消費も抑えられます。

ロープの下という狭い範囲でも、この練習はできます。ロープを基準にして、自分が上下していないか、前に進めているかを目で確認できるからです。透明度10mの海では、ロープと自分の位置関係がよく見えて、練習には向いた条件でした。

Oさんはこの2本を、ほとんど休まず集中して練習されていました。生き物がいなくても、自分の泳ぎが少しずつ変わっていく感覚があると、ダイビングは充分に面白い。 それを一緒に感じられた2本でした。

城ヶ島でボート2本のあと、追加のビーチダイビング3本目へ

ボート2本を終えて船が港に戻ったあと、Oさんから「ビーチでもう1本」 とリクエストをいただきました。

もちろんお受けして、城ヶ島のビーチへ。ここでも内容は同じく浮力コントロールの練習です。ボートのポイントとビーチでは水深や地形が違うので、同じ練習でも感覚が変わります。浅い場所のほうが浮力の変化が大きく出るので、ボートで掴んだ感覚をビーチでもう一度確かめる、というのは理にかなった順番です。

雨は降り続けていて、気温も上がらず、3本目のあとは正直なところ体が冷えました。 それでも、とても楽しいダイビングでした。

ファンダイビングは、2ボートダイビングに1ビーチを足した組み合わせでもご案内しています。料金はファンダイビングのページにまとめてあります。「今日はもう少し潜りたい」という日は、当日でも空きがあればご相談ください。

練習だけの日も、三浦のファンダイビングです

ファンダイビングというと、生き物を見て、写真を撮って、というイメージが強いかもしれません。 もちろんそれも楽しみのひとつです。

でも今回のように「今日は自分の泳ぎを直したい」 という日があってもいい。マンツーマンなら、他の方のペースを気にせずに、ロープの下で何分でも練習できます。インストラクターがすぐそばで見ているので、自分では気づかない姿勢のクセもその場で伝えられます。

リピーターの方がこうやって基礎を練習しに来てくださるのは、僕にとってもうれしいことです。ダイビングは経験本数が増えるほど「今さら聞けない」 が増えていきます。三浦の海はそれを聞きに来られる場所でありたいと思っています。

練習のリクエストは、予約のときに一言添えていただければ大丈夫です。「浮力を直したい」「フィンキックを見てほしい」「深場に行く前に感覚を確かめたい」 など、どんな内容でも構いません。その日の海況とポイントを合わせて、練習しやすい場所と水深を選んでおきます。ボートで練習するか、ビーチで練習するかも、内容に合わせてご提案できます。

また、練習の日を「もったいない」 と感じる必要はありません。生き物を見る日と練習する日は対立するものではなくて、練習した分だけ次に生き物を見に行く日の余裕が増えます。浮力が安定すると砂を巻き上げずに近づけるので、写真の撮れ方も変わってきます。

Oさんは、次回は10月に来店予定です。三浦の海は10月の初めごろまではウェットスーツで潜れて、水温もすぐには下がりません。今回の練習の続きを、また一緒にやりましょう。 お待ちしています。

ありがとうございました。

三浦 海の学校について

三浦 海の学校は神奈川県三浦市のPADI公認5スターIDCセンターです。ダイビングライセンスの取得から、 ファンダイビング、スノーケリングなどのマリンアクティビティまで、初心者からベテランまで楽しめます。 開催は城ヶ島・宮川湾。京急三崎口駅から開催地まで無料送迎をご利用いただけます。

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