中止の翌日に認定ダイブ|神奈川・三浦の城ヶ島でPADIオープンウォーター講習
こんにちは、三浦 海の学校の吉田です。
9月7日にこの場所へ、翌日のダイビング講習のことを「三浦の海況が心配です」
と書きました。 その答えから書きます。9月8日、神奈川県三浦市の城ヶ島で潜れました。
そしてH君が、無事にPADIオープンウォーター・ダイバーになりました。
H君は9月4日が講習の初日で、8日が最終日の認定ダイブでした。初日はスキルこそ上手だったのに、耳抜きだけに時間がかかっていた人です。だから僕はこの日、そこを気にしながら海に入りました。結論から言うと、その心配は要りませんでした。
7日は海を閉じて、8日は開きました

9月7日は、同じ城ヶ島での講習を海況不良でクローズにしました。中止を決めるときに見ているものはその日の記事にあります。
一夜明けて、台風のうねりが落ち着きました。6日はまとまった雨、7日は海が開かず、8日は雲の切れ間から日が差しました。 1枚目の写真の空が、その日の三浦です。
水温は24度。9月4日と同じ数字で、うねりが入ってもここは動きませんでした。 寒さのことを考えずに講習ができます。
そして透明度は6mでした。
実はこの6mという数字、9月4日に同じ三浦の海へ入ったときは8mありました。 並べると下がっています。それでも僕がこの日を「回復傾向」と受け取ったのは、荒れた直後の海を知っているからです。うねりでかき混ぜられた海は、まずもっと白くなります。 そこから少しずつ戻ってくる。この日の6mは、下がってきた6mではなく、戻ってきている途中の6mでした。
うねりが引く時計と、濁りが引く時計は別なので、波が収まった日でも水の中はまだ途中、ということが普通にあります。この話は8月25日の記事に書いたので、ここでは繰り返しません。
ダイビングで苦手なことは、当日の朝でいいので先に言ってください

話を9月4日に戻します。
H君は初日から水中でのスキルがひととおり通っていて、引っかかっていたのは耳抜きだけでした。どうやって水底まで降りたかは9月4日の記事に書いたので、ここでは繰り返しません。
書いておきたいのは、迎える側の話です。前回つまずいた場所がある人を次に迎えるとき、インストラクターは「今日も同じところで止まるかもしれない」 と思いながら海に入ります。これは不安ではなく準備です。どこで詰まるか分かっていれば、その手前で止まって待てる。潜降のロープの使い方も、最初の数メートルにかける時間も、先に決めておけます。
だから、苦手なことや前に困ったことは、当日の朝でいいので先に言ってください。 減点になることは何ひとつありません。段取りが1つ増えるだけです。
2回目の海が、ちがう理由
そしてこの日、H君の潜降は前回よりずっとスムーズでした。
なぜ2回目は変わるのか。医学的な説明はできませんが、1997年からインストラクターをやってきて、僕はだいたい3つだと思っています。
ひとつめは、段取りが読めているぶん、気持ちに余白ができること。1回目は器材の組み立ても、エントリーも、耳抜きも、マスクに入ってくる水も、全部が初めてで、次に何が来るのか分かりません。2回目は流れが分かっているぶん、使う気持ちの量が減ります。その余白が、ゆっくりやるべきことに回っていきます。
ふたつめは、体が「この重さ」 を覚えていること。ウエイト、BCDの張り具合、レギュレーターのくわえ心地、フィンの効き方は、頭ではなく体が覚える種類のものです。2回目は思い出すところから始まるので、崩れても立て直しが早い。
みっつめは、どこで詰まるかを本人と僕の両方が知っていること。 お互いに分かっていれば、先回りできます。
もちろん耳の抜けやすさはその日の鼻の調子でも変わるので、誰でも2回目はうまくいくとは言えません。 それでも「1回目でうまくできなかった」を理由にダイビングをあきらめてしまうのは、もったいないと思っています。
ダイビングの講習は、日をまたいでも大丈夫です
気づいた方もいると思いますが、H君の初日は9月4日で、認定ダイブは9月8日。 あいだが4日空いています。
ライセンス講習は、連続した日でなければいけないものではありません。間が空いても続きから進められますし、今回のように海況で1日流れても別の日に振り替えられます。神奈川でダイビングライセンスを取りたいけれど土日しか休めない、という方も、その形で大丈夫です。
三浦 海の学校のPADIオープンウォーター・ダイバーコースは¥53,900(税込)、実技は2〜3日間。レンタル器材代が1日¥5,500(税込)別途かかります。詳しくはライセンス取得コースのページに。
ダイビングの認定で見ているのは、落ち着いてもう一度できるかどうか

この日のH君は、スキル全体がとても上手でした。 とくに良かったのが浮力コントロールです。
上の写真を見てください。海底にも岩にもつかまらず、中層で体を止めたまま、両手が自由に使えています。上手いというのは、水中ではこういう見え方をします。仕組みのほうは先日の記事に書いたので、ここは写真に任せます。
そのうえで、ふだんあまり書かないことを2つ。
ひとつは、認定するときに僕が見ているのは「一度できたかどうか」 ではない、ということ。見ているのは「落ち着いて、もう一度できるかどうか」 です。テストの合格点ではなく、この人がバディと2人で海に行って無事に帰ってこられるかどうかを見ています。
もうひとつは、浮力と耳抜きはたぶん無関係ではない、という僕の見立てです。自分で潜降の速さを決められる人は、耳抜きのペースも自分で作れます。前回苦労したところと、この日良かったところは、どこかでつながっていたのかもしれません。
そして、止まっていられる人は、小さいものに寄れます。
認定ダイブの合間に、三浦の海で見た3種
認定ダイブは、スキルの確認だけで終わる時間ではありません。ひと区切りついたら、岩の際や砂の上を一緒にのぞきます。 この日に撮れたのは3種。いずれも写真からの見立てなので、断定はしていません。
アオウミウシ

砂まじりの底に、濃い青の体をした小さなウミウシがいました。ふちが淡く縁取られていて、触角がオレンジ色。アオウミウシだと思います(背中の模様は個体差が大きいので断定まではできません)。三浦の海では季節を問わず一年じゅう見られる、いちばん出会いやすいウミウシのひとつです。
見つけるコツは、泳ぐことではなく止まること。 ここでも浮力がものを言います。
コケギンポの仲間

岩肌には、目の上に枝分かれしたフサフサ(眼上皮弁といいます)をもつ小さな魚が張りついていました。 コケギンポの仲間です。体まで見ないと種類を分けにくいので、ここでは「仲間」 としておきます。
大きく口を開けて、こちらを見ているように見えました。この魚は同じ穴に居つく習性があるので、次に潜ったときも同じ場所で探せます。 どのあたりの岩の、どんな穴にいたか。ログ付けのときに書き残しておくと、楽しみが1つ増えます。
ムレハタタテダイ

砂地の上を、白と黒の縞に黄色い尾びれ、背びれが旗のように長く伸びた魚が、大小あわせて5匹で漂っていました。 おそらくムレハタタテダイです。よく似たツノダシは尾びれが黒く、口先が細く長く突き出ています。
ほかにどんな生き物がいるかは海の生き物図鑑に、城ヶ島のビーチについてはポイント紹介にまとめてあります。
次のダイビングの日付は、潜った日のうちに決められます
H君、認定おめでとうございます。
Cカードを取ったあとに何をするかは、実はその日のうちに決められます。いちばん確実なのは、次の予約を1つ先に入れてしまうことです。 予定が入っていると、間が空きません。
三浦 海の学校には「つづける割」があって、潜った日に次回の日付を決めると、次回のファンダイビングが¥800引きになります。ビーチ¥13,200が¥12,400、ボートとリフレッシュは¥19,800が¥19,000(いずれも税込・レンタル器材代は別)。条件はつづける割のページに。取得後の続け方はまんが版でも読めます。
その日のダイビングを、あとから読み返せるように
最後にひとつ。三浦 海の学校が作ったログブックアプリ「Blue Logbook」を、9月3日にApp Storeで公開しました。iPhone・iPad向け、無料、アカウント登録は要りません。Androidの方はブラウザ版を、詳しくは案内ページをどうぞ。
Cカードを取ったばかりの方におすすめしたい使い方が2つ。ひとつは、カードが手元に届いたら表と裏を撮って入れておくこと。認定と、カードが届く日には時間差があります。 もうひとつは「海ごよみ」で、次の海まであと何日かを数えられること。 さきほどの「次の予約を1つ先に」と、そのままつながります。
紙のログブックがなくなるわけではありません。 講習で使うログブックは、いまも紙です。増えるのは、冊数だけです。
9月4日に耳が抜けなくて時間がかかったことも、この日それがスムーズだったことも、書いておけば残ります。数年後に読み返したとき、いちばん面白いのはたぶんそこです。
三浦 海の学校について
三浦 海の学校は神奈川県三浦市のPADI公認5スターIDCセンターです。代表は吉田哲司(PADIコースディレクター)。ダイビングライセンスの取得から、ファンダイビング、スノーケリングなどのマリンアクティビティまで、初心者からベテランまで楽しめます。 開催は城ヶ島・宮川湾。京急線 三崎口駅から開催地まで無料送迎をご利用いただけます(要予約)。開催場所・集合場所はご予約時にご案内します。
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